奇しくも先週、僕が実際にアウシュビッツに行き感じたことを記そうと思う。
不謹慎かもしれないが、アウシュビッツの外観だけならとても立派な外観に感じた。
赤れんがで等間隔に木が植えられてあり外観だけなら美しくも感じた。
とても昔に、昔と言っても世代的には僕の祖父の青春時代くらいの昔に殺戮工場があった場所とは想像し難いと思った。
ポーランドの冬は厳しく、外の風は本当に冷たい。
中に入ると、とても暖かいのだが展示物が迫ってくる。
白黒写真も多いのだが、当時を生きた人にとってはリアルでカラーの感覚が肌を突き刺す。
とても粗末な食事で、靴もなく強制労働させられてたとは思えない。
人はこんな過酷な環境では生きてはいけないだろう。
ダウンを着ながら見ている僕はあくまで想像の域でしかない。
それでも、門をくぐる前には鳥肌が立ったし、死の壁を前にすると泣きそうにもなった。
それは『夜と霧』という本を読んだ影響かもしれない。
初めて読んだ時はとても衝撃を受けた。
読んでいて、あれほど心拍数が上がりドキドキした本は初めてだったと思う。
それくらいの衝撃だった。
だからと言って、何度も読める本でもない。
衝撃が強すぎて1度しか読んだことはないのだが。
例えば僕が関ヶ原に行って、天下分け目の関ヶ原で何かを感じるかと言えば何も感じないだろう。
何かを感じる霊感もない。
それと同じで、展示物があって、しっかりと歴史を直視しなければ何かを感じることはできないと思う。
ただし、それはいい気分ではなく、暗く重い。
また、当事者意識の有無によっても捉え方は変わる。
恐らく、イスラエルから修学旅行か何かで来た学生は名簿の名前までしっかりと見ていて驚いた。
また、感受性豊かな女の子は入口で入られずに、泣いている子もいた。
アウシュビッツの感想をどうまとめていいか分からない。
もし『夜と霧』を読んだことがないなら一読して欲しい。