稽留流産

去年、妊活をしていた甲斐があってか赤ちゃんを授かることができた。

 

ただ、2回目の病院の診察で心音の確認が出来なかった。

クリスマスが近づいてきた頃のことだった。

嫁は信じられなかったのか、おそらくネットで色々と検索し、それでも気がかりでその日のうちにセカンドピニオンを受けるため他の病院で診てもらいに行った。

僕はその日は仕事だったから、仕事が終わってすぐに駆けつけた。

遅れて駆けつけたが、後から来た人が先に診察室に通されて、結構な時間を待たされた。

 

やっと診察だと思ったら、「心音が確認できない」と言われた。

他の赤ちゃんの心音が正常に動いている画像まで見せられた。

わざわざ画像まで見せるとは、なんて残酷なんだろうって感じた。

ただ、話の文脈で嫁を説得させる為にしたことなんだとも感じていた。

ネットで情報収集して、一縷の希望も持っていたと思うから。

信じられない、信じたくない、と彼女は感じていたと思う。

泣き崩れていた。

 

コンプレックスや悩みなど色々抱えていることはあるが、僕は今までそれなりに元気に生きてきた。

年齢も重ねてきて、友達の赤ちゃんを目にすることも多くなってきた。

だから、何の根拠もなく自分の赤ちゃんも大丈夫だと思っていた。

心配はもちろんしていたが、大丈夫だと思っていた……。

 

現実を突きつけた先生は、一方でこうも言ってくれた。

早期流産は赤ちゃん側に問題があり、染色体異常だと。

嫁は自分自身を責めていたかもしれないが、それはやめて欲しかった。

そこは救われた。先生なりの優しさで現実を突きつけたんだと思う。

 

次の日から安静の為に、彼女は仕事を休んだ。

受け入れてくれた職場の人には感謝だ。

命の可能性が失われた。

自分の体の中にある命なのだから肉親も肉親、慶弔休暇は必要だと思う。

ただ、社会の風潮とかはそうではないのだろうなぁとも思っていた。

稽留流産は自覚症状がないとのことで、彼女は信じられない気持ちだったと思うが、次の日に出血があった。

 

流産となる確率は10〜20%程らしい。

友達が10人いれば、1人か2人は体験していることになる。非常に高い確率だと思う。

嫁は「何で私だけ……」ともこぼしていたが、誰にでも起こりうることだ。

安定期に入るまでは周りに口外しない方がいい、という意味も分かった。

 

嫁は自然と涙が出てくる、とよく泣いていた。

妊娠が分かって、喜びに浸っていた落差で余計に悲しく辛い。

その悲しさは、男の僕には本当の意味で理解できないとは思う。

赤ちゃんがいたのは嫁のお腹の中だから。

だから、僕はとにかく嫁が心配で心配でたまらなかった。

 

家事などの肉体的なサポートはしていたつもりだったが、年末の忙しい時期だったこともあり、入っていた予定を優先したことで、「精神的なサポートが必要だ!!」と泣きながら怒りをぶつけられたこともあった。

軽率だったと今は反省している

 

そんな彼女を見ていて、精神的に特に辛そうだったのは、妊婦さんのいる病院に行くことだった。

ブログではかけないようなことを毒づくこともあった。

 

稽留流産手術当日の病室は新生児が並ぶベットの近くだった。

僕も目を反らさずにはいられなかった。

なんとなく気まづい雰囲気が流れるのを感じた。

 

色々あったが、お陰様で何とか無事手術も終わり新年を迎えることができた。

 

今、ブログを読んでいるのが男性の方なら——

家事などの肉体的なサポートはもちろんのこと、精神的なサポートも大切です。

癒しとかは到底出来ないって思い込んでいた僕ですが、側にいるだけでもいいかもしれません。

 

ブログを読んでいるのが女性の方なら——

僕の拙い経験ですが、男の僕が心を砕いていたのは赤ちゃんのことよりも嫁のことだったように思います。おそらく旦那さんもそうだと思います。

どうかご自身を責めないでください。

 

稽留流産という言葉すら知らなかった僕の個人的な課題としては、正しい知識を身につけることだ思う。

普段、人は自分の価値観や知識に基づいて発言したり、行動したりしている。

流産の辛さをどこまでいっても男の僕は分からないとは思うけど、知識があることで掛ける言葉、心境、行動も変わってくると思う。

そこまで出来た人間ではないから知識でカバーしよう思うのだ。

それがブログを始めてきっかけでもある。